これからの季節に注意!危険なヒートショックから身を守ろう!
皆さんは、ヒートショックという言葉をご存知でしょうか?
冬になるとよくニュースになる、このヒートショック。
高齢者の方や何らかの持病を抱えている人は、特に注意が必要な現象です。
これからもっと寒さが本格化するようになると、外の気温と室内の気温の差が激しくなります。
ヒートショックは、この寒暖差が原因。
今回は、そんなヒートショックから身を守るために大切なポイントなどを中心に、お話していきたいと思います。
天気予報とヒートショック予報
テレビの天気予報ではまだ目にすることは少ないのですが、インターネットの天気予報のサイトでは、天気とともに‟ヒートショック予報”が記載されているものもあります。
住んでいる家の構造や、そのときの体調などによっても、ヒートショックが起こり得る可能性は変わります。
寒さだけに注意すると、「たくさん着込めばOK」とだけ思いがちですが、ヒートショックの要因は寒暖差。
暖かいところから寒いところへの移動で、気温差が生じやすい場合にヒートショックを起こしやすい、という認識を持つ必要があります。
ヒートショックの発生数
実は、ヒートショックでの死亡者数は、10年前から比較して1.7倍ほどにも増えているというデータがあります。
ヒートショックが最も多く起きる場所は、浴室。
交通事故での死亡者数よりも多いと言われています。
特に、浴室での事故の5割が冬に発生しているため、これからの季節は特にヒートショックに警戒する必要があるのです。
そもそもヒートショックとは?
先ほども触れましたが、急激な寒暖差が原因で起きるのが、このヒートショック。
暖かい場所にいたあと、急に寒い場所に移動した際に起きるのですが、このとき、私たちの体には一体何が起きていると思いますか?
それは、血圧の急上昇です。
暖かい部屋から寒い脱衣所、もしくは浴室に移動し、すぐさま熱い湯船に浸かるという一連の流れ。
一見、誰でも普段から日常的に行っているような行動で、特別おかしな流れではありませんよね。
でも、この一連の流れにおいて、私たちの血圧の数値は、なんと40近くも急上昇していると言われています。
急激な血圧な上昇は、特に高齢者や持病を抱えている人の体には、大きな負担となるものであり、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす原因になるのです。
寒い地域ほど家の中の寒暖差が少ない
入浴中にヒートショックを起こして亡くなったケースの発生頻度を調べたある調査では、最も頻度が低いのが沖縄県、次に北海道という結果が出ています。
「北海道は寒いのになぜ?」と思いますよね。
冬の北海道は、最高気温が0℃未満という場合もよくあります。
そんな極寒の北海道では、なぜヒートショックの死亡者数が全国の中でも少ないのでしょうか?
それは、寒い地域だからこそ考えられた、住宅の構造によるもの。
実は、北海道では、住まいの中のリビングと浴室(脱衣所も含む)の気温差が小さく、家全体が暖かいということがわかっています。
これは、断熱材の徹底的な使用などをはじめ、寒い地域だからこそ施された寒さ対策が要因です。
「寒い場所だからヒートショックは起きる」ではなく、「寒さと温かさの気温差でヒートショックは起きる」という認識を持つ必要があるんですね。
ヒートショックを起こしやすい人
やはり、高齢者や持病を抱えている人が多いですが、若いからと言って油断できるものではありません。
・眠っている間に呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群の人
・熱いお風呂が好きな人(42℃以上)
・太り気味の人
・アルコールを飲んだ後に入浴する人
上記に該当する人は、要注意です。
ヒートショックの予防策
では、どんなことをすればヒートショックを防げるのか、効果的な予防策をご紹介します。
■暖かい部屋と寒い部屋の気温差を5℃以内にする
寒暖差がヒートショックの原因となるため、脱衣所に電気ストーブなどを置いて、入浴前に事前に室内を暖めておきまししょう。
浴室内も暖めておくと安心ですが、なかなか浴室にストーブなどは持ち込めないですよね。
その場合は、浴槽にふたをせず、湯気が浴室内に充満するようにしておきましょう。
■お湯の設定温度に注意する
お風呂の温度は41℃以下に設定することもポイント。
高温すぎると、ヒートショックを引き起こす危険性が高まります。
■飲酒・食後すぐの入浴は避ける
飲酒・食後1時間以内は、血圧が下がりやすいと言われています。
この状態で入浴すると、血圧の急上昇を招く危険性があり、とても危険です。
■湯船に入る前は足元から掛け湯をする
いきなり心臓に近い部分にお湯をかけてしまうと、心臓に負担がかかってしまいます。
必ず、心臓から遠い足から、徐々に掛け湯をして慣らすようにしましょう。
最後に
ヒートショックは、冬には特に警戒すべき現象です。
「自分はまだ若いし大丈夫」という意識は捨て、誰にでも起こり得ることだと考えておくべきでしょう。
しっかりと対策をし、快適なバスタイムを過ごせるようにしたいものですね。