小規模宅地の特例③―二世帯住宅の区分所有は「同居」にならない?!―

二世帯住宅で同居してても同居じゃない?どちらがお得なのか

最近は育児負担の軽減や経済的理由から
二世帯住宅が増えている。
二世帯住宅では各戸の所有権登記の種類によって
特例適用の扱いが違う事にも注意が必要だ。

13年まで、二世帯住宅については構造上、外階段で屋外に出ないと
行き来が出来ない住宅は共有名義でも
「同居」とみなされず、特例の適用外だった
しかし、14年以降はこうした構造上の違いは
関係なくなり、適用対象となった。

問題は1階、2階を親と長男家族で別々に
するなど、区分登記している場合だ。

不動産取得税・固定資産税の軽減措置をそれぞれ使える、
将来的に賃貸併用住宅にしやすいなどの
メリットから区分登記を選ぶ人は多い。
が、区分登記は内階段で行き来が出来ても
「同居」扱いにならず(生計一親族は適用だが証明至難)、
親名義の居住部分にしか特例は適用されない。

相続を念頭に置くならば、共有名義が無難だ。

 

特例を受けるためには

近年では最晩年を老人ホームなどの高齢者向け施設で過ごす人が増えた。
親がそうした施設への入所で自宅を出てしまった場合はどうだろう。

親が死亡する前に要介護、要支援認定を受けて入所していれば、
被相続人の生活実態がなくなっていた自宅の土地であっても、
同居していた配偶者や子の相続に際に特例が適用される。

有料老人ホームや特別養護老人ホーム、さらに
サービス付き高齢者住宅や障がい者支援施設なども同様の扱いだ。
ただし、この自宅は賃貸などの用途に供されていない事、
つまり他人を住まわせていない事が要件になっている点に注意が必要だ。

また、親が老人ホームに入って空家になるケースも想定される。
そこに非居住だった子などが後で居住しても特例は受けられない
ただ、その子が生計一親族に該当する場合は認められる可能性がある。

たとえば親の自宅の隣地に子が暮らしていて、生活費を負担し合ったり
生活の全般を面倒を見たりしていた場合だ。
だが、実際は生計一親族に明確な規定がないため、
前出の区分登記の場合と同様、税務署に対しての
証明が難しいので気を付ける必要がある。

最後に、親が住宅を何カ所かに渡って多く所有し、住民票を
置いている住所にある自宅とは別の住宅に、
生活の拠点を置いている場合はどうだろう。

実際は、住民表の有無は特例の適用の判定には関係しない
税務署は被相続人が相続開始の直前において、
生活の拠点をどこに置いていたかを適用時の判断基準にするからだ

所有物件の中に極めて資産価値の高い土地に建てた住宅があっても、
そこでの生活実態がなければ特例の適用は難しくなる可能性が高い。

同様の理由から、子が特例の適用を受けたくて、形式的に
実家すなわち親の自宅のある住所に住民票を移したとしても意味はない。
生活実態がないのだから当然である。

反対に住民票は別の場所にあったとしても、実際に親と同居して、
子のほうが客観的に証明できれば同居親族として認定されるだろう。
実家に届いた自分宛の郵便物や、住民登録している場所の
電気・水道料金などの使用料がゼロに等しい請求書が証拠書類となる。

このように重要な要件である「同居する親族」の当否なども、
日常生活での実態が税務署の判断ポイントとなる
ので、
よく理解したうえで備えたい。

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