大切な命を守るにはどうしたらいい?自然災害と生きる術!

 

前代未聞の集中豪雨は西日本に甚大な被害をもたらしました。

家族を亡くされた方・・・ 住まいを無くした方・・・

大きな被害に遭い今も避難所で過ごされている方が大勢います。

報道で、家が土砂に飲み込まれてしまった方が声を押し殺す様に「天災だから仕方ない・・でもやっぱり悔しいね」と話されており、その痛みが伝わってきました。

自然の中で生かされて暮らす私たちが天災から逃れる事は難しい事です。

自然災害とともに生きる決意をしなければならない・・そんな心境です。

記憶に新しいところでも、
2011年東日本大震災、2014年御岳山噴火、2015年豪雨による鬼怒川の氾濫、2016年熊本地震・・・

日本全国至る所で、地震、津波、火山噴火、豪雨による河川の氾濫など・・・災害が繰り返し起こっています。

私たちの生活は自然と共にあります。
自然に癒されたくさんの恩恵を受けるとともに、そのダイナミックな動きに身を任せる他ありません。

そうは言っても、こんな時だからこそ、大切な家族の命や住まいを守るために私たちができる事、少しでもリスクを減らす方法はないのか考えてみたいと思います。

自然災害から家族の命や住まいを守るためにできること

物件を選ぶとき“立地(スーパーや駅、学区学校からの近さなど)”や“築年数の新しさ”などは大きな決定要素になると思います。

一方で、もしものときに家族の命や住まいを守るために大切な、“防災面での立地環境”や“建物の構造”に関しては二の次になることが多いようです。

これらは専門知識がなければ判りづらい部分も多いですね。

でも少し気にする、配慮するだけで、災害から私たちを守ってくれるとても大切な要素になると思います。

地形を考慮した物件探し 〜ハザードマップを確認してみましょう~

災害には地震・津波・水害・土砂災害・突風など色々なケースがあり、同じ土地であっても災害のケースが違えば、危険度が異なります。

市区町村等では、それぞれの自然災害による被害を予測し、被害範囲を地図化したハザードマップなどを作成しています。ハザードマップを確認すると、その土地にどんなリスクがあるのかを確認することが出来ます。

物件を探す際は、これを利用してその地域性を確認するといいと思います。

ハザードマップはお住まいの市区町村のHPや国土交通省「ハザードマップポータルサイト」から確認できます。

国土交通省「ハザードマップポータルサイト」https://disaportal.gsi.go.jp/

建物の構造に配慮し災害に強い住まいをつくる

White house with picnic bench and green lawn, blue sky, clouds and trees in Spring

地盤が強く安全な場所を選ぶのが大前提ですが、中には、リスクはあっても自然に触れる暮らしがしたい!と山あいや海沿いでの生活を希望される方もいると思います。

また、どんなに地形に気をつけてもあらゆる災害に強い土地も中々ないと思います。

そんな場合でも、その地域がどんな危険性を警鐘されているのか把握した上で、そのリスクに応じた構造や形状、地盤改良などの対処をすることで、リスクは軽減されると思います。

具体的には

・地盤調査をした上で、不安定要素があれば地盤改良などを施す

・リスクに応じて、弱点を補う構造にする
(地震が多発する地域では震動に強く軽い構造、暴風の多い地域では風圧に耐える低くて重い構造にするなど)

・耐力壁の量とバランスが大事
(いくら耐力壁を十分に使っても配置のバランスが悪いと傾きの原因になるそうです。)

・2階を設ける時は、1階に外力が適切に流れる様、垂直方向の耐力壁の位置とバランスにも気をつける

・建物の形状はシンプルな整形型がベスト
(水平・垂直方向ともに凸凹が多い複雑な形状をしていると、外力を受けた時に家が一体となって踏ん張れず、ある部分に力が集中してねじれが生じ、その部分から損壊が始まるなど、弱点になってしまう可能性があります。)

とても基本的なことのようですが、災害に強い家造りという点では、上記を守ることは必須かもしれません。

避難 〜命を守るために~

A woman standing in the middle of the road surrounded by mist in Å umava National Park

地形に気をつけても、住まいの構造に気をつけても、危険が迫ってしまうことがあります。

その場合は避難することが自分と大切な家族の命を守るために重要です。

市区町村等では、避難のための広場と建物を備えた施設として、地域内の学校等を指定避難所として指定しています。あらかじめ避難場所とそこに至るための安全な経路を確認しておくことが大切です。

学校施設が避難場所とされるのは、以下の様な安全が確保出来るという保証があるからです。

・学校施設は、耐震性・耐火性の基準を満たした建物
(最近はバリアフリー、断熱性を考慮され、避難所機能の強化も図られているようです。)

・災害で電気・ガス・水道等のインフラが途絶えた時でも発電機の備え、太陽光発電設備や蓄電池の備え、ガスコンロや大型貯水槽などがある

・的確な情報を得る事が出来る

人には、正常バイアスというものがあり、命に関わる様な非常時でも、どこかで自分は大丈夫(と思いたい)という心理が働くそうです。

私自身にも身に覚えがありますし、もし今回の西日本豪雨の当事者であったら、そう思っていた気がします。

でも、今回色々と調べてみて自宅よりも避難所の方が、命を守るために適切な場所ということを切に感じました。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

ある番組では、日本の気象は今後、温暖化による異常気象の傾向が益々高まり、経験したことのないような新たな災害が身に迫ってると話していました。

今回の西日本の集中豪雨、頻繁に起こるゲリラ豪雨、尋常ではない真夏の暑さ、北海道など梅雨がないはずの場所での豪雨などからも、いつか起こるであろう絵空事ではないと感じます。

そしてこれらの災害も含めると、これからの防災は今までの経験だけでは対処できなくなっているそうです。
風が吹けば桶屋が儲かるという言葉がありますが、災害もある事象の発生により、一見すると全く関係がないと思われる場所・物事に被害が及ぶことがあります。

だからといって、天災は仕方ない事と全てを諦めたり、自分は大丈夫と過信するのではなく、まず出来る事をする。
その上で、こういうケースもあるかもしれないと想像力を働かせて行動することも大切になってくると思います。

関心を持った方は、まず手始めとしてお住まいの地域のハザードマップを見てみて下さい。

地形の特徴などがわかり、防災という範囲をこえて中々興味深いですよ!