住まいの熱中症対策~エアコンを効果的に使いましょう~

7月に入ってから、猛暑が続いています。

ニュース番組でも、連日『熱中症への厳重な注意』の呼びかけが止みません。

ここ数年は、集団で熱中症にかかり救急搬送されるなど大きな被害も聞かれます。

これだけ注意を促され、世間では熱中症への意識も高まっているはずですが、それでも被害が年々増しているのはなぜなのでしょうか。
温暖化の影響で、これまでの常識や感覚は通用しなくなっているのかもしれません。

この熱中症、炎天下の下を何時間も出歩いたり、グラウンドなどの日除けの無い場所で激しいスポーツをしている時になるものだと思っていたのですが、実は「自宅」で発症する人も多いそうです。

我が家にも暑い場所でもお構いなしに走り回る子どもがいるので、今一度熱中症に関して調べてみました。
屋内においての熱中症対策について調べた事もお伝えします。

熱中症とは

本来、人の体は体温が上がっても、汗をかいたり皮膚温度を上げることで熱を外に逃がすような仕組みを持っているそうです。でも、過剰な暑さや体の機能低下など複合的な要因から調整機能が崩れ、どんどん身体に熱が溜まってしまうことで引き起こされる障害を総じて“熱中症”というそうです。

症状は、軽症ではめまいや立ちくらみ、頭痛、吐き気、重傷では意識障害やけいれん、最悪死に至る事もあります。

特に体温調整機能が未熟な子ども、体温を下げるための体の反応が鈍い高齢者は、自覚がないのに熱中症になる危険があるそう…。他に、脱水気味、運動不足、暑さに慣れていない人、体調の悪い人も熱中症になりやすいとのこと。

では、どんな条件下で熱中症の発生リスクが高まるのでしょうか。

熱中症にかかってしまうときの室内環境

 日常生活における熱中症の発生状況は屋外と室内ではあまり差はないそうです。

一般的には気温が高い、湿度が高い、風が弱い、日差しが強いなどの環境で、激しい運動などをすると熱中症になりやすいと言われています。

これを室内環境に置き換えると

・室温が高い(28℃以上)
・室内の湿度が高い(70%以上)
・風通しが良くない
・窓からの日差しが強く建物の断熱性能がよくない

となります。

室内は屋根や外壁などが日差しを遮ってくれるので、一見安心に思えますよね。
しかし、断熱機能が無ければ、構造体はとても比重が大きいため、熱を蓄え室内温度を高めてしまいます。
断熱性が高くないお家では、外よりも室温の方が高くなってしまうケースもあるようです。

また、室内ではお料理した時の熱気、家電から発する熱も室温を高める原因になります。

高温、多湿、風が弱い、熱を発生するものがあるなどの環境では、体から汗の蒸発も不十分となり、熱中症が発生しやすくなります。

自宅で熱中症にならないための対策

 室温、湿度の目安は室温28度、湿度70%以下!!

この数値を意識して住まい環境を整えましょう。

〈室温の管理をする〉
・温度計をまめにチェックする
・エアコンを適切に使う
・窓からの日差しをしっかり遮る

〈湿度を抑える〉
・エアコン等の除湿機能を使う
・調理やお風呂等は換気扇をしっかり使う
・炭など除湿効果のあるものを置く
※同じ温度でも湿度が高いと体感温度が高く感じます

〈風通しを良くする〉
・風のある日は窓を開けて風を通す
・扇風機等で室内の熱い空気を循環させる

〈その他〉
・冷却グッズを使う
・2階建の場合、2階に熱が溜まりやすいので、夏の間は1階、冬は2階で就寝するなどの工夫をする。

エアコンを上手に使いましょう!!

当たり前のことのようですが、暑い夏を快適に過ごすには、エアコンを効果的こ使うことがとても大切なようです。

エアコン1台で、温度調節、湿度調節、風流(気流)を作ってくれます。
夜も、寝付くまでの2時間だけではなく高めの温度設定でつけっぱなしにすることが熱中症対策に効果的だそうです。

とは言っても実際のところ電気代を気にして、暑くてもエアコンを我慢してしまう方が多いのではないでしょうか。

しかし、熱中症で救急搬送されてしまった方は、エアコンがあるのに使用しなかった人が多いといいます。

なんなのでしょう。このエアコンは電気代がかかる!!というイメージ。

ところが色々調べてみると、最近のエアコンの性能アップ、省エネ機能=節電効果はとても頼もしいものがありました!

【新旧エアコンの1時間辺りの電気代を比較】

①15年前のエアコン (1080W(消費電力)÷1000)×27円= 29.26円/1H

②10年前のエアコン (755w(消費電力)÷1000)×27円=20.39円/1H

③最新のエアコン  (605w(消費電力)÷1000)×27円=16.34円/1H

ざっくりですが、15年前の物に比べると最新のエアコンの1時間当たりの電気代は半分です。

また、エアコンは室温と設定温度の差が大きい時には強い運転を行い、逆に室温が安定してきて設定温度との差が小さい時には緩やかな運転に切り替わるので、消費電力も変化します。

【最新エアコンを例に6時間連続使用の場合の電気代】(冷房時)

※エアコン詳細(カタログより抜粋)

畳数目安 8〜12畳 (13〜16㎡)

能力(KW) 2.8 (0.7〜4.0)

消費電力(W) 550 (100〜1000)

エアコンが最も強い運転をした場合 (1000W(消費電力)÷1000)×27円=27円/1H

エアコンが最も弱い運転をした場合 (100w(消費電力)÷1000)×27円=2.7円/1H

※<1時間あたりの電気代の計算式>
電気代(円)=消費電力(キロワット)×電気代単価(1時間 平均27円)

例えば6時間連続運転するとして、最初の30分〜1時間程強い運転、それ以降は弱い運転とした場合、約40円/6時間という計算になります。

これは、1台あたりですので、複数台使用する場合はその分電気代はアップしますが、それにしても「あら、エアコンの電気代、思った程高くないじゃない?」と思いませんか?

また、エアコンの使い方を工夫することで、更に節電も可能です。

ぜひこんな工夫をしてみて下さい。

・太陽が一番高くなる(室内温度が最も上がる)午後1時をピークに前後2~3時間にエアコンを使用する
・こまめなスイッチのON/OFFを避ける(かえって電気代がかかるそうです)
・フィルターの掃除をこまめにする
・窓からの熱を遮る(簾、よしず、グリーンカーテン、レースの遮光カーテン等を使用する)

まとめ

いかがでしたでしょうか。

これから毎年酷暑を迎え入れる事になりそうな夏。

熱中症で倒れてしまうよりは、電気代が気にならないエアコンを使って快適に過ごす方が何倍も効率的です。

また、熱中症を防ぐためには体調管理も大切です。私たちの体は、“のどの渇き”には鈍感な様です。のどが渇いていなくても水分をこまめに摂り、熱い夏を元気に快適に過ごしましょう!