子どもを伸ばす「子ども部屋」を作りたい!どうすればいい?

我が家には幼稚園に通う娘がいます。
そろそろマイホームを考え始めているのですが、そこで悩むのが子ども部屋についてです。

自分の子供の頃を思い返すと、「子ども部屋」といえば壁で仕切られた勉強に集中できる個室というイメージです。
小学校高学年で自分の部屋をもらったとき、少し大人になったような、自分だけの空間に贅沢な気持ちになったことを思い出します。

しかし最近は、ライフスタイルの変化、子育てや教育に対する考えの多様化、建築技術の進化などにより、単に子ども部屋と言っても様々なスタイルが登場しています。

今の時代 “ 子どもの成長や人格形成に大きく関わる子ども部屋 ”をどう考えると良いのでしょうか。

今回は「子ども部屋」について色々な角度からお伝えします。

そもそも、子ども部屋の役割とは?

「子ども部屋」という明確な概念が生まれたのは、高度成長期である1960年頃からと言われています。
当時、高校や大学の受験生であった現在の団塊世代の方たちが過酷な受験戦争に向き合う中で、「勉強部屋」という位置づけで生まれたものが「子ども部屋」に繋がっていったようです。

今では、子ども部屋があるのは当然。マイホームを持つきっかけも「子育てのため」といっても過言ではないような気がします。

子ども部屋の役割は以下のようなことが挙げられます。

・勉強に集中できる場所

・子供が自分の所有物を収納・管理できる場所

・遊び、趣味に打ち込める場所

・快適な睡眠を取れる場所

最近は、リビングやダイニングで勉強やゲームなどをしたり、1日の大半を家族共有スペースで過ごす子どもも多いと聞きます。

共働きが増えてきたこともあり、家族の時間を多く持つために、子どもが「自分の部屋が欲しい」と言うまではあえて子供部屋は作らないという家庭もあるようです。

しかし、いくら家族の仲が良いと言っても、ある程度の年齢になると子どもにも“自我”が芽生え、自分だけの空間が欲しいと思うようになるでしょう。

個室を与えるのに最適な年齢は何歳くらい?

ある調査のデータによると、日本では4~6歳の子どもたちでも約51%、小学校1・2年生になると約79%が子ども部屋を所有しています。

ただ、実際に子どもが自分の意志で部屋を使うようになるのは、小学校中学年からが多く、高校生になると自分の部屋で過ごす時間の割合が最も長くなるようです。

参照:京都女子大学/積水ハウス 住まいにおける子どもの居どころ調査
https://www.sekisuihouse.co.jp/company/data/current/newsobj-1278-datafile.pdf

子ども部屋はオープンスタイルがいい?クローズドスタイルがいい?

子どもが小さいうちは、仕切りを設けないオープンスペースにしようか・・・
それとも幼くても始めから個室を用意しようか・・・

迷う点ではないでしょうか。

私は、漠然と前者がいいなぁと感じていたのですが、色々と調べてみると幼い頃から個室を与えることにも、子どもの成長にとって良い影響がありそうだということを知りました。

オープンスタイル、クローズドスタイル 各々のメリット・デメリットは以下の様になります。

【オープンスタイル】

メリット

・死角になる場所が少ないため子どもを見守ることができ安心

・空間を広々と使う事ができ、家全体に広がりを持てる

・家族のコミュニケーションを多くとれる

・家事をしながらの子育てがしやすい

・家族の気配を感じられ、子どもにとっても安心感が生まれる

デメリット

・将来子ども部屋に仕切る費用がかかる(始めから個室の方がコスパがいい)

勉強などの際に、家族の声や生活音が集中の妨げになることがある

・しきりが少ないと冷暖房の効率やコストが心配

・家族共有のスペースに子どものものが混在してしまう

 

【クローズドスタイル】

メリット

・勉強や趣味などに集中出来る

・静かな空間で睡眠が取れる

・子どもの所有物を収納するスペースとなる

・子ども自身が自分の物や空間を管理する自覚を持たせやすい

デメリット

・親の目が届きにくい

・家族のコミュニケーションの時間が減ってしまうこともある

・将来引きこもりになってしまうのではないかと心配

 

オープンスタイルでは、家族のコミュニケーションを取りやすく、親子や兄弟がお互いの気配を感じながら心地よく過ごせそうです。

一方、クローズドスタイルでは、欧米の子育てに見られるように、幼いときから独り寝をさせたり、自分の物の管理を任せることで、子どもの自立心を養うことができます。物事に集中できる環境である点も魅力です。

特に子どもの睡眠に関して取り上げると、日本ではある程度の年齢まで親子が川の字で寝る添い寝が多いですが、これが子どもの睡眠の質を下げ、乳幼児の突然死「SIDS」の要因ともなるという話しもあります。

子どもと同室で寝ることは、我が子と触れ合う時間が少ない父母にとっては、かけがえのない至福の一時とも言えますが、子どもの睡眠に悪影響を与えているかもしれません。
親の出入りが何度もあったり、親の都合で子供が眠りにつく時間が遅くなってしまう、目覚ましで早朝に起こしてしまうなど…心当たりのある方も多いのではないでしょうか。

実は、睡眠の点からも小さな頃から子供部屋を与え、独り寝を身につけさせることは子どもの成長にとても良いことなのかもしれません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

子ども部屋を”オープンスタイル”にするか、”クローズドスタイル”にするか。

各々に良い点、考慮しなければならない点がありますが、工夫次第で弱点を克服することもできます。

“オープンスタイル”でも可動式の間仕切りを設ければ用途によって空間を仕切ったり、空調に配慮することができるでしょう。
“クローズドスタイル”は壁の一部を磨りガラスにしたり、壁と天井の間に隙間を設け、他の部屋とのつながりや家族の気配を感じられる空間にすることも可能です。

また、家族の気配や生活音があるリビングでも勉強や遊びに集中できる子、静かな環境の方が集中できる子など、個性も様々です。

色々な側面を考慮して、子どもの自立を促し、個性を育むことができる環境を整えてあげるのが理想ですよね。

そして、資産活用の面からも住宅購入前から、ライフステージの変化を見据えて、部屋の用途を想定しておくことも大切ですね!

子どもが独立したら、子ども部屋を書斎にする、家事室にする、仕切りを取り外し夫婦の広い寝室、趣味室にするなど計画しておくと、大切な思い入れのある住まいをより長く楽しめることでしょう。